その後のコヒガンバナ日記 花は?採種は?採種した種の発芽は?
コヒガンバナとは?
 普通のヒガンバナは開花はするが,3倍体(染色体数が基本の3倍の33個)という構造のため,正常な減数分裂ができず種子はできない。よって,球根(正確には鱗茎,地下茎)で増えるため,遺伝子の変化はないはず(?)
 ところが,シロバナヒガンバナはヒガンバナとショウキズイセンの雑種とのこと。そこで,種子ができる2倍体(染色体数22個)の「コヒガンバナ」に興味を抱くことに。コヒガンバナは「小彼岸花」,普通のヒガンバナより一回り小型で,開花時期もひと月ほど早い。原産地は中国,揚子江流域。



 別サイトにあったコヒガンバナ育苗日記を「発芽した花に種ができ,その種が開花するまで」引き継ぐ予定。2004年秋以来,コヒガンバナの種の発芽に挑戦,2008年に発芽に成功しますが,開花までには更に4・5年は必要。その後の開花・結実の様子を紹介して参ります。
 種が発芽すれば,遺伝子が変化し,新種の可能性も!夢広がります。
青々とした葉っぱ(左6株,右2株),1月13日 葉っぱが枯れた,6月14日
2008年発芽の2鉢8株 葉は6月始めに枯れてしまった
2012年7月3日
 我が家で育てているコヒガンバナは,2008年秋に発芽に成一本だけだが,初めて開花,7月3日功した2鉢,8本だけ。その中の一本が今朝開花。芽が出始めたのは6月22日,50cmほどの茎の先に6個のつぼみ。午前中につぼみが1,2,3,4個と次々と開花!本日中には6個とも開花する勢い。種子から育てたコヒガンバナが開花したのは今年が初めて。コヒガンバナの種子の発芽に挑戦し始めて9年,発芽に成功してから5年目での開花である。まだ7月になったばかり,普通のヒガンバナに比べて,2ケ月以上も早い。鱗茎から育てたものを含め,これほど早い開花は初めて。今のところ八本のうちの一本だけだが,大きさもまずまず,肥料をやったのが良かったのか。風雨の害なく,無事に採種できることを祈る。
 
2012年7月4日
 昨日は6個のつぼみの内5個,最完全に開花したコヒガンバナ,7/4後の1個が今日,二日がかりで開花。土中から伸びた茎(50cm)の先に放射線状に開いた6個の花。このコヒガンバナ,大きさは普通のヒガンバナ並み。6個の花それぞれに,6つの花びら(4cm,幅4mm)と6本のおしべ(8cm)と1本のめしべ(9cm)。それらの描く曲線が何とも言えぬ雰囲気。これもヒガンバナの魅力の一つでしょうか。ヒガンバナの学名「Lycoris radiata Herb」の「radiata」は「放射状」の意味,茎の先端に放射線状に花が開く姿からの命名。曲線と放射線,幾何学的な美しさも魅力。ところで,今のところ開花したのは1本だけ,残り7個の鱗茎から花茎が伸び出る様子はない。風雨や野鳥等も心配。他の7個にも,来月まで開花の可能性はある。
 
2012年8月11日
コヒガンバナ(2本目)の花芽(約3cm)が,時期的には今が普通。7月初めに開花した1本,6個の花が結実(?),採種できそうな大きさ(10mm前後)となったがまだ緑色,完熟まではもうしばらくか。倒れていた茎を起こしたら途中で折れる,採種できるのか?(翌日,3本目になる同じ鉢のもう1本も芽を出す)
 
2012年8月18日
2本同時に開花(2本目と3本目)。2本とも茎長40cmほどで,先月の1本より短く,本来のコヒガンバナの大きさかとも。
 
2012年8月30日
またコヒガンバナ(4本目)に花芽が伸びてきた。ところで,先日の2本(2本目と3本目),花のあとは小さい(左下マウスオン写真),結実はしてないようだ。ただ最初に開花したコヒガンバナ(1本目),茎が折れたが,種子は熟してはいない(左下写真),採種の可能性は残っている。
7月3日開花したコヒガンバナの花の後。マウスオンは8月18日開花したコヒガンバナ。撮影はともに8/24 7月3日開花のコヒガンバナから採種はできたが・・・,9月11日撮影
2012年9月11日
7月3日に開花したコヒガンバナ(1本目)から種子が落ちたが,何となく小粒で弱々そう(右上写真)に見え,発芽の可能性は低いのでは。開花して1ヶ月ほどで茎が折れた為,成熟できなかったのか。8月30日に開花したコヒガンバナ(4本目)の花は終ったが子房が小さく,採種の可能性は低い。コヒガンバナからの採種,簡単ではない。2008年秋に種子が発芽した同じ鉢の鱗茎6個の内4個が今年開花。しかし,採種できたのは4個の内1個だけ。更にその種子が発芽する確率も低い。

2013年7月5日
昨年採種の種子,未成熟だったのか発芽せず。2008年発芽の鱗茎,昨年は6月中に芽を出し,何と7月3日に開花したのもあったが,今年はその兆しなし。早咲きの突然変異かと期待したのだが・・・
 
2013年7月30日
ベランダのコヒガンバナ,まだ芽を出さぬ。先輩の庭にあるコヒガンバナは今月中旬に開花したとのこと,ただ1個だけ。ベランダは暑過ぎるのか,それとも鱗茎の養分不足か。本日,南阿蘇でキツネノカミソリを発見。ベランダのコヒガンバナもそろそろか,発芽次第紹介予定。
 
2013年8月31日
今日で8月は終わるが,ベランダのコヒガンバナは遂に開花せず。昨年は3本開花したのだが,鱗茎が成熟していなかったのか。知人の庭でも,植えている5個の鱗茎の内,1本しか開花しなかったとのこと,コヒガンバナの感覚は繊細なようだ。
 
2013年9月13日
ベランダのコヒガンバナ,今年はついに開花しなかった。普通のヒガンバナと比べて,繁殖力等が劣るのでしょうか。それとも,昨年開花した1本の花茎は60cmを越え,開花にエネルギーを使ってしまい,今年は休眠して鋭気を養ったのでしょうか。優勢な三倍体のヒガンバナに比べ,鱗茎も小さく,分球も少ない。開花しても,結実の確率も低い。もしかして,コヒガンバナの種から発芽しても,二倍体とは限らないのか?との不安が・・・。
 
2014年5月8日ヒガンバナとキツネノカミソリの葉,5/5
ヒガンバナやコヒガンバナの葉が枯れ始めている。キツネノカミソリは4月初めに葉が出てきたがひと月たっても長さは10cmほどと短いままである。ヒガンバナやコヒガンバナの葉は30cm以上というのに。ただ,ヒガンバナやコヒガンバナにも10cmほどの葉も何枚か,水分または養分が足りなかったのか。同じヒガンバナ科のキツネノカミソリだが,ヒガンバナとは葉と花の時期や花の形が違う。ヒガンバナの葉期は晩秋から春にかけて,キツネノカミソリは春から初夏,夏には枯れてしまいお盆頃に開花。ヒガンバナの花期は秋のお彼岸前後。
 
2014年7月13日
コヒガンバナが開花。右上写真の左の植木鉢です。同じ鉢に,もう一本,10cmほどの芽が伸びている。ただ早咲きである点はコヒガンバナですが,花茎は50cmほどで普通のヒガンバナと大きさでは差がありません。鱗茎でなく種子から発芽させたので,変異が起きたのか。
 
2014年7月21日
2本目のコヒガンバナが開花(右写真中央)。花の大きさもほぼ同じ,花茎が伸び始めて1週間で開花,花の期間も1週間,ヒガンバナと同じ。13日開花のコヒガンバナ(左下写真左)は枯れてしまった。同じ鉢であっても開花時期に大きな差が,鱗茎でなく種子から発芽したコヒガンバナ,遺伝子が変化(?)したのか・・・。(8/2,同じ鉢に3本目の花芽が伸び,8/8に開花。8/12,4本目の花芽。8/3,阿蘇でキツネノカミソリの開花に遭遇)
2014/07/21 コヒガンバナ
 
2014年8月16日
今年4本目の花芽が伸びてきた(19日開花)。これまでの3本は結実しているようだ,採種できる可能性あり。今年こそ3代目誕生か。(花の数は,1~2本目が6個,3本目5個,4本目3個と減少,結実の可能性があるのは1~3本目が5,4,1個で,4本目は?)
知人の庭にある鱗茎から育ったコヒガンバナは,5本の花茎がほぼ同時に伸びてきた。開花前ではあったが,花茎は35cm前後,花も小ぶり。それに比べ,我が家の種子から育てたものは開花は早い(7~8月)のだが,その時期はバラバラ花茎や花の大きさは普通のヒガンバナ並。種子から育つと遺伝子が変化するのか。ハスとコヒガンバナ,ともに地下茎(鱗茎)と種子で繁殖。ハスを種子で次々に増やしていけば,他の植物以上の速さで遺伝的特徴が変化し,新品種が誕生するという。ヒガンバナも同じか?
2014/09/21 2014/09/21
結実したコヒガンバナ(9/21) はじけ落ちた種子(9/21)
 
2015年4月13日
昨年採種したコヒガンバナの種子,未発芽。ヒガンバナやコヒガンバナの葉が枯れ始め,キツネノカミソリの葉が伸びてきた。葉が伸び始めて1月ほどだが長さは5~8cm。キツネノカミソリという名前の由来が「花の色が狐色」で「葉が剃刀(かみそり)に似ている」からともいう。狐が使う剃刀なら人間の剃刀より短いのでは。ヒガンバナと同じ長さなら,剃刀には見えないはず,短くて当然か。それとも,鉢を置く環境が悪い為の生育不足か。
我が家のベランダの鉢 キツネノカミソリの葉
 
2015年4月21日
南阿蘇村の南外輪山でキツネノカミソリ(?)の葉を撮影(4/19,右上写真)。ヒガンバナの葉に比べて幅広,長さは30~40cmほどで繁茂,我が家のキツネノカミソリとの違いは明らか。ベランダのキツネノカミソリ,土や鉢を置いた環境が悪いのか。ならば,コヒガンバナの生育環境としても問題があるかも知れませんね?
 
2015年7月11日
1本だけですが,ベランダのコヒガンバナの茎が45cm(昨日は35cm)ほどに。発芽に気付いたのは7日で5cmほどだったので,1日あたり10cm。不思議なのは,同じ鉢の別株に小さな葉(1cmほど)が出ていること,これは初めて。ヒガンバナの別名「ハミズハナミズ(葉見ず花見ず)」に異変か(?)。種子から発芽したコヒガンバナ,「変異」の一つか。
2015/07/07と2015/07/23 マウスオンは07/17撮影
小さな葉が(7/7) コヒガンバナ(7/15)
 
2015年7月15日
50cmほどの花茎の先に5個の花が放射状に開花。それぞれの花には6枚の花弁,6本の雄しべと1本の雌しべ。花の構造や大きさはヒガンバナと大差ないようだが,開花時期が二ヶ月早い。別株の小さな葉は4cmほどに。
 
2015年7月23日
知人の庭にある鱗茎から育ったコヒガンバナ(左上のマウスオン写真)も放射状に4個の花が開花。こちらは花茎も40cmほど,花も小ぶり。鱗茎で増えたため遺伝子は同じ,コヒガンバナの特徴もそのまま受け継いでいる。
 
2016年7月9日
4月の熊本地震にも敗けず,我が家のベランダに今年もコヒガンバナが開花。5cm程の花茎に気付いたのが7月2日,今は花茎が50cm程に伸び,花茎の先に放射状に開いた6輪の花(2輪はまだツボミ,翌日すべて開花)。ちなみに,ヒガンバナの学名 Lycoris radiata Herb の radiata は放射状を意味するとのこと。
コヒガンバナ マウスオンは 9/7 撮影
コヒガンバナ(2016/07/09,10) コヒガンバナ(2018/9/6,7)
 
2018年9月9日
ベランダのコヒガンバナ,コンクリートに囲まれた生育環境が問題か,今年は1本(右上写真)しか開花せず。昨年,鱗茎が増え過ぎたので鉢の植え替えをしたというのに・・・。
 
2019年7月30日
甲佐町の住宅の庭,コヒガンバナが一本だけ開花(左下写真)。庭には他にも植えてあるとのことだが,普通のヒガンバナと比べて小ぶりな花が一本。我が家のベランダのコヒガンバナは今のところ開花の兆しなし。
2019年7月30日(民家の庭) 2020年7月25日(畑のあぜ)
 
2020年7月25日
甲佐町の畑のあぜ道に昨年移植していたコヒガンバナ(右上写真)が開花していた。コンクリートに囲まれたベランダの鉢植えより,畑のあぜ道のほうが生き生きとしているようだ。今度こそ「結実・発芽」の期待が高まる。盗掘や農薬等に負けず無事生育していくことを祈る。
 
2021年7月15日
甲佐町の民家の庭のプランターから1本だけ。その後3日ほどで枯れてしまったので,開花したのは数日前か。
2021年7月15日(民家の庭)
 

 
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